woodykhのブログ

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江戸前寿司と鉋(カンナ)の関係

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一見すると関係ないようですが、意外な共通点があるそうです。これは"木工大辞典"という昔あった月刊誌に載ってた記事です。

 

それは、大正12年9月の関東大震災を受けた後に、それぞれ日本中に普及したということ。元々江戸前寿司は地方にはあまりなかったらしいですが、壊滅的な打撃を受けた東京では、すぐに職につくことが出来なかった為に、寿司職人さん達は、地方に分散し、江戸前寿司が各地に広がっていったそうです。

 

鉋の方はというと、元々日本各地にはあったのですが、当時まで使われていた鉋は一枚刃の鉋で、それは取り扱いが難しかったらしいです。大震災後の復興では、大量の職人が必要とされたでしょうが、大工さんはそんなに多くはいないので、未経験者でも使える二枚刃の鉋が開発され、大震災後はこの2枚刃が普及し、全国に広がっていったそうです。

 

"木工大辞典"という雑誌は、こんな大工道具にまつわるお話や、山や材木のことを色々記事にして教えてくれる貴重な情報源だったんですが、大分前に廃刊になってしまいました。他の雑誌やメディアで同じような事を提供してくれればいいんですが、望むべくもないです。 私たちのご先祖様達の生活情報や知識はどんどん消えてなくなっていくのは寂しいものです。

 

私の父親は大正15年生まれでしたが、昔の日本人の常識として、木材の種類は軽く20種類以上は知っていました。 お風呂の素材はヒノキ、カマチや櫛に使うのはつげ, 神主さんが持ってる木の板(シャク)の素材はイチイなどなど..父は昔から生活で使うものの木の種類は全て言い当ててました。

 

現在では多分日本人よりもまだアメリカ人の人の方が木材の知識は多分あると思います。 外国では家具は基本的に天然木を使った家具(本物)です。もちろん安いものもありますが、家具=財産という考えは日本人にはないです。外国では家具=財産=家族のような感じでしょうか?   よくわかる例として、シンガポールに駐在になった日本人は家具付きの部屋を探しますが、ヨーロッパの人は基本家具なしの部屋を選び、家具は自分達のものを持ってきます。 ヨーロッパでは家具職人の仕事の半分以上は家具の修理で、長く使うのが当たり前。 有名な絵画の贋作を作る際、わざわざその年代に近い古い家具を解体して、絵画の土台の板として使い、鑑定士をごまかしていたとい話も聞いた事あります。

 

何もかも昔のライフスタイルの方がいいというわけではありませんが、自分が生まれる前から家にあり、自分が歳を取るのと同じように、経年変化し続け、自分がこの世を去った後にも次の世代へ引き継がれるものって素敵だと思います。 これは何も高級な木材を使った家具だけの話ではなく、小物類でもヨーロッパでは残ってるような気がします。 私は趣味でChip Carvingという細工物を作りますが、洋書の教科書には、何世紀も前の木のお皿とかが紹介されたりします。 そんなもの達に囲まれて生活していくのは気持ちが落ち着くのかもしれません。